プロローグblackangelskyblue プロローグここは雲の上・・・。天界と呼ばれる所・・・。 この天界にはたくさんの町があります。天使たちの住む町、そして悪魔の住む町、妖精達の住む町、人間の進化してきたものが住む町、etc・・・。 まだ知られていない町もあります。 そしてここは天使だけが住む町、エルダー町。この町のものは皆、白銀の美しい羽根を持っています。 この町に住む、ヨルテとシルという名の夫婦が長年待ち受けていた子供をやっと授かりました。 しかしそれはその子供にとっても夫婦にとって、大変な生活の幕開けでした。 生まれたのはかわいい顔をした男の子、しかし、シルの目に真っ先に映ったのは顔などではなく、羽根というものでした。 「う・・・そ・・・。い、いやぁ~!私の子じゃないわこんなの!!いやぁ~!!」 「どうした!?シル。生まれたんじゃないのか?・・・。」 シルの声に駆けつけたヨルテは何事かといわんばかりに子供に駆け寄りに目をやった。 「う、うわぁぁ~!!!」 ヨルテが叫んだとほぼ同時に、この出来事をまだ知らないまま新しい命の誕生に祝おうと町人が数名やってきた。そしてすぐに子供に目をやると・・・。 「・・・。お、お前たち、お前たちは悪魔だったのか・・・?」 町人の一人がおびえながら聞いた。 「ち、違う!そんなわけないだろう?ほ、ほら、俺とシルの羽根を見てくれよ!!真っ白だろ!?あ、悪魔なんかのわけがない。」 ヨルテは言った。 「さぁ、どうかな?本当にお前たちが天使だというのなら、子供をすぐに目の前で殺してくれれば信じてやってもいいけどな、なぁみんな。」 そういわれて町の者はうなづいた。 「ちょ、ちょっと待ってくれないか?一日だけ、一日だけ待ってくれ!!」 ヨルテはいった。 「よし、ならば明日の朝まで待ってやろう。朝だぞ、朝になって俺たちがここに来るまでにその悪魔を捨てるか、この町から出て行くかの準備でもしておくことだな。」 そう言って、町人は出て行った。 「明日の朝・・・か。どうしようかシル。」 ヨルテはシルにはなしかけるが疲れて寝ているため答えない。 この町では天使以外は住めないという宗教のような決まりがある。そしてこの夫婦の間に生まれた黒い羽根の天使・・。黒い羽根=悪魔という考えが普通になっているこの町では出て行くか死ぬしかないというのだ。この町は数年前から優しさというものを失いつつあった。 そしてこの町には昔からの伝統があった。町を出て行くことはできないという・・・。それを信じ町の人々は出て行くことはしなかった。さぁヨルテとシルは黒い羽根の天使と共にこの町を出て行くのか、黒天使を失うことになるのか、又は違う道を探し出すのか。 悪魔と呼ばれた男の子・・・。どうなってしまうのか。 プロローグ完 ジャンル別一覧
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